今年めでたく10歳を迎えられたワンコさん。
まさかこの数日後に失明という試練が訪れるとは、飼い主である私達にも想像もできないぐらい突然の出来事でした。
お誕生日ケーキをまっすぐにみつめるこの写真が、目の見えるワンコさんのたぶん最後の写真。
ある日、「おやつだよー」と言うと、いつものように大騒ぎ。
その場でクルクルまわるのも幼い頃からいつもの通り。
だけど…、目の前におやつをかざしても、目がおやつを見ていない。
悲しい出来事でした。
病院に連れて行き、まずは目薬で様子を見ました。
その日からみるみる元気が無くなり、噛む力が極端に衰え涎が止め処なく流れ、顔は変形するほど腫れていきました。
あぁ、もしかしたらもうこの子はだめかもしれない。
そんな弱気になってしまうほど、弱っていくワンコさんは辛い状態に見えました。
すぐさま再度病院へ行きましたが、原因がわからず。
大きな病院を紹介してもらうことに。
その際目薬を替えてもらったところ、噛む力と顔の変形が治ってきました。
もしかしたら目薬が合わなかったのかもしれません。
後日大きな病院へ。
脳に何かが起こったのかもしれないと思いMRIかなぁ?なんて思っていましたが、診断は「網膜変性」、脳とは関係ありませんでした。
その後、「突発性後天性網膜変性」か「遺伝性網膜変性」か調べますか?と言われたので、遺伝子検査を受けることにしました。
結果は遺伝性。
キャリアであることが判定されました。
そして先生からは思いもよらない言葉。
「この子は幼い頃から目が見え辛い子だったんじゃないか…?」と。
思い返してみれば、段差で足を踏み外しやすかったり、コケっとすることが多かったかもしれません。
それをただ単にどん臭いだけだと思い込んでいたのです。
早く治療を始めれば、もっと進行を遅らせることが出来たんじゃないか?
後悔は尽きず、ワンコさんにすまない気持ちになりました。
それから数日。
食欲も戻り、ゴンゴンぶつかりながら歩くことも多いですが、器用にテーブルの足を避けてスタスタ歩いたり、まるで見えているんじゃないかという強気な動きでちゃんと生活しています。
犬は視力以外も、聴力嗅覚がとても優れています。
もし私が視力を失ってしまったら、その現実を受け止めることも生活に慣れることにも、莫大な時間と努力が要るでしょう、でもワンコさんは逞しい!
こんなショッキングな出来事も、すぐに受け入れて順応する力、動物ってすごいな。
これからは今まで以上にずっと大事に暮らしていこう、ごめんね…ワンコさん。